脳にやさしい暮らし方(認知症予防)

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認知症を完全に予防する方法は、残念ながらまだ確立されていません

しかし近年の研究から、毎日の生活習慣が認知症の発症と深く関わっていることが明らかになってきました。
「何か特別なことをしなければ」と身構える必要はありません。食事・運動・人との交流の3つを日常のなかで少しずつ意識するだけで、脳の健康を守ることにつながります。

認知症と生活習慣の関係

認知症全体の約60〜70%を占めるアルツハイマー型認知症、そして約20%を占める血管性認知症は、いずれも生活習慣病との深い関わりが指摘されています。
高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満・喫煙・過度の飲酒といった生活習慣上のリスクが積み重なると、動脈硬化が進み、脳の血管が詰まったり出血したりするリスクが高まります。また、アルツハイマー型認知症の原因物質「アミロイドβ」の蓄積にも、こうした生活習慣の乱れが影響することが分かっています。
裏を返せば、生活習慣を整えることは、認知症の予防にも直接つながるということです。

ポイント1. 食生活を見直す

食事は、脳と体をつくる基盤です。

1日3食、規則正しい時間にバランスの良い食事を心がけましょう。糖質・塩分・脂質の摂りすぎに注意しながら、和食を中心とした献立を意識すると良いでしょう。

野菜・果物・豆類を積極的に

ビタミンB群・C・E・βカロチンを含む野菜や果物は、動脈硬化やアルツハイマーの原因物質の増加を抑える働きがあります。納豆や豆腐などの大豆製品は、血中コレステロールや中性脂肪を下げる効果も期待できます。

おすすめの食材の例

ビタミンB群は豚肉・豆類・卵・魚介類など、ビタミンCはみかん・ブロッコリー・ほうれん草など、βカロチンはにんじん・かぼちゃ・ほうれん草などが挙げられます。

青魚を意識して食べる

サバ・イワシ・サンマなどの青魚に多く含まれるDHA・EPAは、脳の活性化が期待される成分です。週に2〜3回を目安に取り入れてみましょう。

緑茶や赤ワインも味方に

抗酸化作用・抗炎症作用のあるポリフェノールを含む緑茶や赤ワインは、適量であれば脳の健康に良い影響をもたらす可能性があります。ただし、飲酒しない人に対して敢えて飲酒を勧めるものではありません。

ポイント2. 体を動かす習慣をつくる

運動は、生活習慣病の危険因子を取り除き、脳の血流を高め、神経細胞の働きを保つ効果があります。激しい運動である必要はありません。

大切なことは、毎日無理なく続けることです。

週3回以上、1回あたり30分程度を目安に体を動かしましょう。
特におすすめなのがウォーキングです。体への負担が少なく、誰でも続けやすい有酸素運動として、認知症予防の効果が多くの研究で示されています。日常のなかに少しずつ取り入れていきましょう。

  • 朝の散歩を習慣にする
  • 買い物に歩いて行く
  • エレベーターの代わりに階段を使う など

「運動しなければ」と義務感でやるより、好きな音楽を聴きながら歩く、景色の良い道を選ぶなど、楽しめる工夫をすることが長続きのコツです。

ポイント3. 人とつながり、社会に参加する

外出して人と関わることは、
脳にとって非常に大切な刺激になります。

  • 身なりを整える
  • 持ち物を準備する
  • 時間に合わせて逆算して行動する

こうした何気ない段取りのすべてが、脳をフル活用するトレーニングになっています。
認知症が進むと、まさにこの「順序立てて行動する力」が失われていきます。外に出て人と話すこと、役割を持つこと、誰かの役に立つことが、脳の老化を緩やかにする大きな力になります。

社会参加の例

  • 図書館・博物館・映画館に出かける
  • 料理教室・俳句・短歌など創作活動を楽しむ
  • 地域のサロンやデイサービスで会話・ゲームを楽しむ
  • 町の清掃活動やボランティアに参加する
  • シルバー人材センターでこれまでの仕事や特技を活かす

特に「認知症カフェ(オレンジカフェ)」は、認知症の方やご家族、地域の方々が気軽に集まれる場所です。「ちょっと話を聞いてほしい」「同じ悩みを持つ人と話したい」という方にも、ぜひ活用していただきたい場です。認知症の診断を受けた方でも、できることはたくさんあります。

社会のなかで役割を持ち、誰かとつながり続けることが、
その後の生活の質を大きく左右します。

3つのポイントのまとめ

キーワード 具体的な取り組み
食事 バランス・抗酸化 野菜・青魚・豆類を積極的に摂りましょう。
糖質・塩分・脂質を控えめにしましょう。
運動 継続・有酸素 ウォーキングを週3回以上。
日常生活に動きを取り入れましょう。
社会参加 つながり・役割 趣味・地域活動・人との会話。
外に出る習慣をつくりましょう。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

無理なく、楽しみながら続けることが大切

これまでの生活習慣をすべて一度に変えることは、誰にとっても簡単ではありません。ストレスにならない範囲で、できるものからひとつずつ取り入れていきましょう。
「今日は少し歩いてみた」「魚を食べた」「久しぶりに誰かと話した」
そんな小さな積み重ねが、脳の健康を守る力になります。
生活習慣の改善について気になることや、認知症のリスクについてくわしく知りたい方は、なかやまメモリー・メンタルクリニックにご相談ください。当院は、認知症専門医が在籍し、高齢者の精神疾患に幅広く対応するクリニックです。対話を大切にした診療で、患者様とご家族に寄り添います。

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